日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T22-06
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持続可能な社会の実現に向けた森林教育
癒しの森プロジェクトー地域とともに知り創る試み
*藤原 章雄齋藤 暖生
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抄録

富士山麓の山中湖村地域で多く見られる経済的価値を見いだせず所有者の管理意識が失われ放棄されているカラマツ人工林について、地域住民の健康増進に活用しながら、管理過程で発生する枝条や材を燃材や資材として地域で活用する森林管理手法の提案および地域のシステムの構築を目的とし、演習林のカラマツ林を実際に管理活用公開しながら行う一連の研究教育およびその成果の社会への還元活動を癒しの森プロジェクトと呼ぶ。カラマツ林内を快適な空間とするための密度調整間伐を行いその間伐材を地域の薪ストーブユーザに呼びかけ薪原木として競り方式で販売する社会実験を行った。地域の薪ストープユーザーの意識を調査しつつ、地域の森林所有者にも森林資源に目を向け理解して頂き、未利用資源の活用の機運を促す機会とする教育啓蒙効果も狙っている。この実験に先駆けて、地域の薪ストーブ保有状況を一戸一戸を個別に目視する悉皆調査を地域住民に協力頂き実行した。地域社会および住民が研究実行にも関わりながら研究対象でもある。地域社会に内包された森林を所有する教育研究機関が取り組む地域社会と関係を結びつつ行う研究教育活動の試みについて報告する。

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