日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T22-07
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持続可能な社会の実現に向けた森林教育
26年間の定点写真記録を用いた志賀高原ダケカンバ開葉観察の教材化
*中村 和彦渡辺 隆一井田 秀行福本 塁藤原 章雄斎藤 馨
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抄録

植物フェノロジーの観察は、専門的な知識や技術をそれほど必要としないため、環境変化の影響を誰もが直感的に把握できる。特に、長期間のフェノロジー観察によって気候変動の影響把握にも繋がりうるため、自然体験と気候変動とを繋ぐ教材として有効と考えられる。そこで、信州大学志賀自然教育園(長野県下高井郡山ノ内町)にて1987年から継続して撮影されている日々の定点写真を用い、中学校および高等学校での自然学習において生徒にダケカンバ(Betula ermanii)を主とした開葉フェノロジーを観察させた。単木単位での観察は困難なため、開葉日の決定基準を「落葉樹の部分で緑色の割合が半分以上になった最初の日」と生徒に示した。中学校第1学年215名、高校第1学年374名に対し、それぞれ約60分間の講義の中で1987年から2012年までの計26年間の写真を提示し、1人1年ずつの分担で開葉日の決定を行わせた。こうして得られた各年の開葉日について、気候変動に関する学習に用いるデータとしての妥当性を評価するために、次の2つの検討を行った。(1)観察に用いた写真のRGB値を用いた開葉度推定手法との比較検討。(2)観察結果と写真撮影地の気温データとの比較検討。

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© 2015 日本森林学会
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