日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T22-15
会議情報

持続可能な社会の実現に向けた森林教育
わが国における森林教育の系譜-森林技術誌掲載文献から-
*大石 康彦井上 真理子
著者情報
キーワード: 森林教育, 系譜, 森林技術誌
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

筆者らは森林学の文献レビューから、森林教育研究が1925年に開始されて以降、専門教育を中心テーマとして進展し、1990年前後からは学校教育など幅広いテーマを対象とする研究へ展開したことなどを明らかにした(大石・井上 2014 a,b)。この結果は森林教育の実践現場の状況を反映したものと考えられるが、実践現場である森林・林業現場の視点からもとらえて、森林教育の系譜を検証する必要がある。そこで、本論では森林・林業の代表的業界誌である日本森林技術協会発行の月刊誌「森林技術」とその継続前誌を対象に、創刊号(1922年)から873号(2014年)の各号に掲載された森林教育に関する文献を収集、分析した。その結果、森林教育に関する文献は、1931年を初出として専門教育中心に掲載が続き、1970年代後半からは学校教育など幅広いテーマに関する掲載が急増して現在に至っていた。このことから、昭和初期を端緒に専門教育を中心にとらえていった点については、森林・林業現場と森林学の間で大きな差異はなかった。一方、幅広いテーマへの展開時期は、森林・林業現場が森林学に対して10年以上先行していたことが明らかになった。

著者関連情報
© 2015 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top