抄録
Chlamydia trachomatisの標準株および臨床分離株20株に対するazithromycin (AZM) のin vitro抗菌力を2種類のマクロライド剤と3種類のニューキノロン薬, ならびにminocycline (MINO) と比較した。
臨床分離株20株に対するMIC値 (minimal inhibitory concentration;μg/ml) は次のとおりであった。AZMでは0.063~0.125, erythromycin (EM) では0.125~0.25, clarithromycin (CAM) では0.008~0.016, sparfloxacin (SPFX) では0.031~0.063, tosufloxacin (TFLX) では0.125~0.25, ofloxacin (OFLX) では0.5~1.0, MINOでは0.031~0.063であった。
標準株Dに対するMIC値も臨床分離株に対するそれと全く同じ範囲内にあった。標準株Dに対するAZMのMLC値 (minimal lethal concentration;μg/ml) はMIC値のわずか2倍の値を示したのに反し, 他のマクロライド, ニューキノロン, テトラサイクリン剤はいずれもMIC値の8~16倍の高値を示した。又, 各種薬剤の存在下においてMLCに対する影響についても検討を行った。