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第126回日本森林学会大会
セッションID: T23-01
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観光とレクリエーション
国立公園の公園計画及び公園区域の変更における自然保護の概念の変遷について
*兪 晨愛甲 哲也
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抄録

1.背景と目的
最近では「生物多様性」,「里山」などの自然保護に関する新たな概念の重要性が高まってきている。この間にも国立公園の公園計画と公園区域は変更を重ねてきた。本研究では,これらの概念に関する自然保護の動きが各国立公園の公園計画と公園区域の変更に与えた影響とその変更の傾向をあきらかにすることを目的とした。

2.研究の方法
 環境省のホームページで公開されている2003年6月から2014年1月までの国立・国定公園区域及び公園計画の見直しの再検討,点検,一部変更から変更理由のキーワードを抜き出し,分類して,期間中の変遷を時系列で分析した。また,自然保護の動きがこれらの変更に与えた影響を分析するため,既存の書籍・資料から,新たな概念が現れた時期とその出来事を整理した。

3.結果
生物多様性というキーワードが2010年から変更理由に現れた。2013年には,自然共生といったキーワードが現れた。公園計画の視点が,レクリエーション利用の推進や風致景観の保護・保全・維持から生物多様性や自然共生へと移っていった傾向がみられた。さらに,新たな概念に関する自然保護の動きは,公園計画と公園区域の変更に影響を及ぼすことが推察される。

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© 2015 日本森林学会
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