日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T26-13
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森林生態系の放射性セシウム汚染とその対策
2011年から2014年までのスギ及びコナラ幹材部における放射性セシウム分布の推移
*小川 秀樹伊藤 博久横田 かほり新井 志緒吉田 博久
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抄録

原発事故の放射性セシウム (Cs) によるスギおよびコナラの幹材部の放射性セシウム分布の推移を把握するため、福島県内の4つの調査地(郡山市(2)、二本松市(1)、川俣町(1))において、合計でスギ15本、コナラ1本の標準調査木を設定し、2012年から2014年まで年1~2回、幹材部の放射性Cs濃度を測定し、同一木での汚染推移を調査した。
材の採取方法は、地上高1 mの高さで樹皮を剥皮後、成長錐(内径10 mm又は12 mm、長さ30 cm)を髄心に向けて挿入し、髄心から形成層面までの円柱形の材を1~2本採取した。円柱形の材は心材・辺材別あるいは1 cm間隔に切断し、得られた材サンプルを粉砕後、105 ℃で24時間乾燥し含水率を求め、Ge半導体検出器を用いて乾燥重量あたりの137Cs濃度 [Bq/kg・DW](以下「放射性Cs濃度」)を測定した。
その結果、郡山市の調査地の計9本のスギでは材の放射性Cs濃度が低いため十分な検出ができず増減の傾向は見いだせなかったが、二本松市と川俣町の調査地の計6本のスギでは辺材が減少、心材が増加する傾向が確認された。一方、川俣町の調査地のコナラでは心材および辺材濃度が増加していた。

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