日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: G03
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生態部門
シベリアカラマツ林での「倒木遮蔽更新」仮説の検証
*SHINGO KUSAKA
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キーワード: 再生, 凍土, 山火事, 土壌水分
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抄録

山火事跡の再生が非常に悪いモンゴル北部で、森林内や林縁に樹木の直線列が見られることから、倒木の陰に実生の定着立地が生じ、更新するという『倒木遮蔽更新』仮説を着想(2006 新潟生態学会発表)した。その検証のために、東西方向に倒した焼失木を使って、焼け跡での再生阻害要因実験を行った。その結果、光による乾燥害、種子の供給不足、リターによる発芽定着阻害が顕著に見られ、倒木の北側に熊手をかけて播種した実験区に実生が最も多く生えた。
さらに、湖西ハロス、湖東部ヘクツアル、及び湖南部のハトガルで広く、自然状態での倒木とその周囲の実生・稚樹生育調査を、異なる光環境下で行った。その結果、自然に起きた倒木遮蔽更新例が、焼失地の草原や明るい森林内で数多く見られ、数m程に育った再生木が倒木の陰側だけに10本以上再生している実例データを数多くとることができた。これは、倒木陰に再生した稚樹の一部は自然状態で亜高木にまで育つことの証明となる。再生阻害要因実験での結果や自然の更新例などの観察、発芽率などから、森林再生促進のためのマニュアルを作成した。
本研究はJSPS科研費23405030の助成を受けたものです。

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