日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: A8
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学術講演集原稿
三重県北部地域の森林管理においてNPOに期待される役割
*清水 環奥 敬一
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抄録
 三重県北部地域は、森林率が高く林業の盛んな南部地域とは対照的に、森林率が低い都市的地域である。そのため既存の森林関連セクターの規模が小さく、都市近郊の人工林や里山林に対して社会的に求められている森林管理に十分対応できない場合が多い。一方で同地域でも市民活動による森林への関わりが広がりつつあり、一部では既存セクターを補完する形のNPO法人なども見られるようになった。本研究では同地域の森林管理に携わるNPO法人を対象として、活動状況とその展開を時系列的に分析することで、NPOに求められる役割の変化と今後の可能性について明らかにすることを目的とした。「認定NPO法人森林の風」を主な対象とした活動展開分析の結果、当初は人工林施業が中心であったが、企業や自治体、他団体との連携が増加し、里山林管理、森林環境教育、啓発事業等、多様な役割が求められるようになっていた。また、一般向けの技術研修は初期から継続的に高いニーズがあった。既存の森林関連セクター間をつなぐ役割も持ち始めており、森林環境ガバナンスを担う新たな市民セクターとしての可能性を見いだすことができる。
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© 2016 日本森林学会
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