スギ花粉症は、1964年に栃木県日光市における症例が報告され、以来、わが国において長らく問題となっている。本発表は、人口集中地域を抱える大阪府および近隣の府県(京都府、奈良県、兵庫県、福井県、岡山県)(以下、大阪圏域)、比較のために、東京都を対象として、都府県レベルのスギ花粉症対策が今日の形に至るまでに、スギ花粉症に関するどのような議論がなされてきたのかについて、都府県林務関係部局への聞き取り調査および政策研究の手法の一つとして用いられる都府県議会会議録の分析を通じて明らかにした。スギ花粉症に対するこれらの都府県の対応は、当初は保健的なものや、排気ガス等による大気汚染防止の観点からの議論が主流であった。しかし、近年、都府県によって時期や程度は異なるものの、林業的な対応を行おうとする姿勢が見られる。林業的な対応の一つとして、既存のスギ人工林を伐採し、花粉の少ないスギ等へ植え替えていくことで、スギ人工林における花粉生産量そのものを減少させようとする取り組みがある。この取り組みについては都府県により対応が分かれており、本発表ではこの点についても考察する。