主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第128回日本森林学会大会
回次: 128
開催地: 鹿児島県鹿児島市(主に鹿児島大学郡元キャンパス)
開催日: 2017/03/26 - 2017/03/29
ニホンジカ(以下シカ)による森林への影響が深刻化するなかで、全国スケールでの影響の評価手法の確立が急務である。本研究では、森林生態系多様性基礎調査データを用いて、ニホンジカによる森林への影響評価を行った。まず、調査プロットの位置と、環境省により2014年に実施されたシカ分布状況調査および糞塊密度調査の結果の重ね合わせを行い、本州・四国・九州に位置する3,916プロットについてシカの密度ランクを抽出し、傾斜等の環境データと合わせてモデルの説明変数として用いた。プロット内で確認されたシカの生息痕跡のうち、剥皮の有無、糞の有無、足跡の有無についてはシカの生息密度ランクとシカの分布確認年代の双方を組み込んだモデルでAICの値が低かった。しかし、低木層の植被率、草本層の植被率、林床被覆度については、シカの密度ランクを説明変数に組み込んだモデルよりも、シカの分布確認年代のみを説明変数として用いたモデルのほうが、AICの値が低かった。シカによる森林への影響強度には、シカの生息密度の違いだけでなく、長期的なシカの生息状況も重大な影響を及ぼしている可能性が示唆された。