主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
今日の「林業経済学」では,森林・林業を対象とした社会科学的な研究が幅広く行われている。しかし,その広範さゆえに林業経済学が扱う課題と方法が曖昧となっている側面もある。そこで本報告では,これまで林業経済学がどのような議論を重ね,今日の焦点はどこにあるのかを客観的に評価することを目的とした。まず,林業経済学界における主要論文雑誌である『林業経済』と『林業経済研究』から,題目とキーワードを抽出しデータ化した。次に,題目とキーワードそれぞれにテキストマイニングを応用し,10年単位で頻出語を集約し,その推移を検証した。対象期間は『林業経済』では1948年から2017年,『林業経済研究』では1955年から2017年とする。分析結果より,1980年代までは「資本」「構造」といった,経済学を想起させる単語が多く見られる一方,1990年代以降は,「事例」という単語が目立った。これらより,経済学に依拠した研究から事例研究への大きなシフトが1990年代頃に生じたことが示唆される。さらに1990年代以降,中心となるワードが「林業」から「森林」へと推移する動きも見られる。これらの流れは,林業経済学が扱う課題と方法の広範化を表していると言える。