主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
多様な機能を期待される森林資源を持続的に管理し,利用していくには様々な課題が指摘されている。その一つに,素材生産(川上)から木材の最終消費(川下)までの木材流通における買い手と売り手の有する情報の偏りがある。買い手と売り手の有する情報の偏りはミクロ経済学の「情報の非対称性」として捉えられる。本研究では,関東地域でも有数の林業地であり,流域としてのまとまりのある西川林業地を研究対象とし,木材流通における各経済主体間での取引情報の非対称性を明らかにすべく,主たる経済主体に聞き取り調査を行った。西川林業地から生産される木材は,平成21年には西川広域森林組合により「西川材」として商標登録されている。買い手と売り手の取引情報については,NPOを中心に取りまとめを開始する動きがみられた。だが,各経済主体の生産量や需要量,在庫量等の把握及び共有,工務店等への要望や営業の不足が指摘されていた。森林所有者については,小規模所有者が多く,森林組合等の呼びかけがある場合,伐採の意思はあるという回答があり,森林組合の取りまとめ役としての役割が期待された。