日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P1-112
会議情報

学術講演集原稿
ブナ花成のエピジェネティクス―FTの発現誘導を司るDNAメチル化の役割
*和田 尚之斎藤 秀之
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

花成メカニズムの解明は着花技術や開花結実予測の技術開発における重要課題である。ブナ花成はFT遺伝子のDNAメチル化によるエピジェネティック制御を受けている。DNAメチル化は展葉時に決定し、養分によって変動することがわかっているが、これが花成を制御することは実証できていない。本報告では養分によるDNAメチル化制御とその後のFT遺伝子の発現誘導を野外操作実験により検証し、ブナ花成におけるDNAメチル化の果たす役割を解明することとした。材料は北海道大学のブナ成木1個体の陽樹冠にある枝18本であった。各枝内に対照区と施肥区を設け、2年間着葉期に施肥を行った。結果、初年度の展葉後の施肥ではDNAメチル化は影響を受けなかった。2年目では、処理枝が無開花の場合に施肥でDNAメチル化の促進とFT遺伝子の発現が確認された。以上から、FT遺伝子のDNAメチル化は展葉時の養分濃度の上昇で施され、夏まで維持されることでFT遺伝子の転写を誘導し、資源量の情報を花成に反映させていることがわかった。発表では、養分分析の結果も交えて報告する予定である。

著者関連情報
© 2018 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top