日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: B1
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学術講演集原稿
静岡の中高年における森林散策頻度の変化:2006~2007年とその5年後の比較
*森田 えみ川合 紗世内藤 真理子
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抄録

【目的】高齢化社会では健康への関心が高く、森林の健康関連分野の利用も期待されている。そのためには、中高年層での長期的な森林散策のトレンドを把握することも必要と考えられる。よって、本研究では、中高年集団の約5年間の森林散策頻度の変化と、関連要因を明らかにすることを目的とした。【方法】日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)静岡地区のベースライン(BL)調査、及び、約5年後の2次調査に参加し、有効回答をした3,441人(男性2,344人,女性1,097人, BL時の平均年齢52.4±8.5歳。平均追跡期間5.3±0.5年) を解析対象とした。森林散策頻度は質問紙にて6群(週1回以上~ほとんど行かない)で回答を求めた。【結果及び考察】森林散策頻度が増えていた人は793人、不変は1,760人、減った人は888人で、頻度は有意に減少していた(p=0.018)。要因別では、最も関連があったのは年齢で、70歳以上の群は有意に減少していた。また、女性、及び、健康状態が悪い人もそれぞれ有意に減少していた。高齢層ではBL時には利用頻度が高かったものの、約5年後には頻度の減少が認められたため、それを考慮した上で健康関連分野での利用推進を検討していく必要性が示唆された。

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