日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P1-228
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学術講演集原稿
虫害を模した奪葉がカラマツ属2種のコンテナ苗成長に与える影響
*Fujita SakiWatanabe YokoNakaji TatsuroKoike Takayoshi
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抄録

北海道の人工林面積の約3割はカラマツ(Larix kaempferi,以下JL)が占めている.しかし,近年,冷温帯の森林で虫害が増加傾向にあり,北海道でも2004年以来,特に胆振,日高地方でカラマツハラアカハバチ(Pristiphora erichsoni,以下ハバチ)が大発生しており,収束の目途が立っていない.ハバチによる枯死の報告例は少ないが,虫害の長期化や食葉害と他の虫による虫害,風雪害,乾燥害などが複合的に作用することで,大規枯死が懸念されている.そこで,主要造林樹種であるカラマツとグイマツ雑種F1L. gmelinii var. japonica × L. kaempferi,以下HL)を用いた奪葉試験を行った.本試験では,ハバチの食害様式を模し,短枝葉を50 %及び90 %を手により奪葉し,地上部と地下部の成長を評価した.その結果,地上部では,JLの地際直径が摘葉90 %によって低下したが,HLでは摘葉の効果が見られなかった.また,JLは摘葉によって幹,枝,長枝葉や全体の乾燥重量が低下したが,HLでは全体の乾燥重量のみ低下した.HLの主根のみが奪葉によって抑制された.このことから,HLは光合成産物を根系ではなく地上部に投資し,地上部の高い補償能力を実現していることが示唆された.

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