抄録
1987年から1990年までの大腸集検後の精検報告を福井県がん登録と記録照合し, 集検後の精検の精度を検討した。精検偽陰性を『精検で大腸癌と診断されず, その後1年以内に大腸癌と診断されたもの (逐年検診発見を含む) 』と定義した。
精検偽陰性は8例 (偽陰性率5.2%) で, 上行結腸に多く存在した。偽陰性全例に注腸透視が施行されており, 4例 (上行結腸3例, 直腸1例) が進行癌であった。進行癌4例のフィルムの見直しでは全例で病変の指摘が可能であり, 読影所見ではIs (sm癌) 1例, IIa+IIc (sm癌) 1例, 1型の進行癌2例と考えられた。進行癌のみならずsm癌をも見逃さない注意深い読影が必要と思われた。
内視鏡検査での見逃しは3例 (直腸2例, 上行結腸1例) で, 直腸の1例が進行癌であった。現在では全大腸内視鏡検査が精検の半数を占めているが, 内視鏡検査における死角の存在を十分意識した観察が重要である。