日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P1-240
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学術講演集原稿
防鹿柵の設置が実生の生存に与える直接的・間接的な影響
*中森 さつき, 安藤 正規
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抄録

 ニホンジカ(以下、シカ)の採食は、森林の更新に対して実生を採食する直接的な負の影響と、実生周辺の植物を採食することにより林床の光環境を改善する間接的な正の影響の両方を与えることが知られている。本研究では、シカの採食による影響を受けつつもまだクマイザサ(以下、ササ)群落の残る岐阜大学の位山演習林(以下、演習林)において、シカの採食が実生の生存に与える直接的・間接的な影響を評価した。2015年5月に演習林内4ヶ所に防鹿柵(以下、柵)を設置し、2017年10月まで柵の内外で実生の生存状況を追跡調査した。また、柵内外で林床の光環境、ササの生育状況を調査し、さらに柵周辺でカメラトラップを用いたシカの土地利用頻度を評価した。柵設置1年目では、柵の内外で実生の生存率に差はみられなかった。しかし、柵設置2年目以降、柵内の実生の生存率は柵外より高くなる傾向がみられた。ただし、ササの多い調査地点に限定した場合、柵設置2年目以降、柵の内外で実生の生存率に差はみられなかった。これは、柵内の実生はシカの採食から免れる一方、同じくシカの採食を免れたササの被陰をより強く受けるようになったためと考えられる。

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