主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
日本のスギには4つの地理的な遺伝グループ(北東北、日本海側、太平洋側、屋久島)が存在することが知られている。それらの遺伝グループの形成には、最終氷期の集団縮小と逃避地からの分布拡大が影響していると考えられるが、その詳細は明らかになっていない。本研究では、全国のスギ天然林14集団を対象に、スギのゲノムから偏りなくサンプリングした696座の中立なSNPマーカーを用いて分布変遷を推定した。コアレセント理論に基づく集団間もしくはグループ間の歴史的移住を推定したところ、いずれのペア間でも高い移住率が推定されたが、最終氷期に大きな逃避地が存在していた若狭湾~立山地域の集団からその周辺に向かっての方向性のある移住が認められた。また一方で、近年確認された北東北の逃避地周辺の集団から南に向かっての方向性のある移住も認められた。これらのことから、現在のスギは、最終氷期に分断された逃避地からの分布拡大を経て、それぞれの遺伝グループの再混合の過程にあると推察された。