日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P2-233
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学術講演集原稿
山口県におけるシカ低嗜好性樹木の検証
*渡邉 雅治
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抄録

山口県西部の下関市、長門市、美祢市を中心とする地域にはニホンジカ(以下、シカとする)が生息しており、造林地においてシカによる苗木の食害が問題になっている。現在、植栽した苗木をシカの食害から守るために、造林地全体を防護柵で囲むか、単木防護資材を苗木一本ずつに施工する方法がとられている。しかし、木材価格が低迷する中、通常の造林費用に加えてシカ対策の費用及び労力がかかることは林家にとって負担が大きく、シカ生息地域内での林業経営意欲の減退を招く一因となっている。このような中、本県においてシカが好まず、かつ経済的に価値のあるシカ低嗜好性樹木を解明し、その活用の可能性を探るため、シカ生息地内の試験地2箇所にシカの嗜好性が低いとされる樹木(アスナロ、サワラ、カヤ、アラカシ、ユズリハ)を試験植栽した。平成26年3月末に植栽して以降、シカによる食害状況を毎月1回調査するとともに、成長量(樹高・根元径)を年1回計測してきており、植栽後4年目における各樹種の状況について報告する。併せて、シカ生息域に自生が見られるシナアブラギリについて、その生育状況等にかかる調査結果を報告する。

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