主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
リスクという概念を定量化するために様々な統計手法が適用されてきたが、本講では森林におけるリスク定量化という観点から2つの事例分析を紹介する。一つ目の事例は、Cox比例ハザードモデルを用いたスギ引っ張り実験データの解析である。これはエンドポイントを迎えるまでの時間を解析対象とし、センサー症例の存在や、時間依存の生存関数を規定しないといった固有の特性を有する。時間(年齢)に関するベースラインハザードに具体的な関数形を規定せず、その他のリスク要因に比例ハザード性を仮定することによる考察を可能としている。引っ張り実験の事例に対しては、倒木をエンドポイントとし、ベースラインハザードをモーメントに設定し、変数選択によるリスク要因の特定を行った。二つ目の事例は、イベント発生の有無に対する離散型回帰モデルによるリスク要因の特定である。ロジット・多項ロジットといった回帰モデルにより災害発生リスクが確率として定量化される。本内容に対しては、冠雪害の発生に対しるリスク要因の特定を変数選択により行う。発生の有無に関するロジットモデルと、害の種類も考察した多項ロジットモデルについて結果の比較検討を行う。