日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: S6-3
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学術講演集原稿
気象害と森林管理の関係
*鳥田 宏行
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抄録

森林の気象被害を軽減するには、適正な保育管理を実施して、強風や雪などに対して強い林分を育てておく必要がある。本研究では、過去の気象害(台風、雨氷)調査の結果に基づき、森林管理が気象被害軽減に与える影響について解析した結果を報告する。対象林分は北海道の主要造林樹種の一つであるカラマツ林とし、台風被害に関しては北海道道東地方の中札内村、雨氷被害については日高町を対象地域とした。両地区とも0.04haの調査区を設定し、中札内村においては無被害林分と被害林分を比較するため、被害林分31箇所、無被害林分25箇所において毎木調査を実施した。日高町においては、被害林分144箇所において毎木調査を実施した。解析の結果、台風被害における無被害林分は、被害林分に比べて立木密度が低く、間伐回数が多い事が示された。また、雨氷害に関しては、本数被害率70%以上の激害林分は、本数被害率30%以下の林分よりも本数密度が高く、植栽本数が2000本/haの場合、間伐施業を実施しない限り激害を受けやすい林分に成長する事が示された。いずれの場合も、適切な間伐を実施して本数密度を調整することで、気象害の軽減につながる可能性を示唆している。

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