日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: A8
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学術講演集原稿
都市近郊における住民の森林情報の把握実態と管理継承の課題
*市野瀬 愛
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抄録

親山地区では、積極的に地域住民による森林管理活動が行われてきたが、可也山を活かしたコミュニティ作りの中で、今後、里山の管理や利用、災害の歴史の在来知の継承が必要となっている。しかし、地区内の子供は少なく他出者も在来知の後継者として捉える必要がある(徳野、2014)。本報告の目的は、森林に関する在来知継承の現状と課題を、家族と世代間の分析として考察することである。 研究方法は、地区内の大人(40名)に、①子ども時代に可也山で遊んだ経験、②現在の活動内容と管理への意識、③継承してほしい活動や在来知と他出者・Iターン者を含めた次世代の管理の展望の3点ついて聞き取り調査を行った。また地区内の子どもと同世代の他出者(1名)には、①可也山での遊び、②森林管理に対する意識の2点についてアンケート調査を行い、ワークショップを通じて、可也山の資源の把握実態や可也山への関心の程度を把握した。これらの結果から、地区内の大人は性別や世代に関わらず個々に多様な意見をもっていること、子どもは大人が森林管理をしていることを調査に参加した半数が知らないが、75%が森林は管理する必要があると考えていることが明らかになった。

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