日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: T5-4
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学術講演集原稿
ヒノキ7林分の末端次数根の直径と長さの変動
*土居 龍成谷川 東子和田 竜征平野 恭弘
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抄録

 樹木細根(直径2mm以下の根)は陸域生態系における炭素循環の主要な要素であり、養水分を吸収・輸送する役割も担っている。特に吸収根と呼ばれる生理機能が高い末端根は土壌環境の変化に敏感であり、ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)では1,2次根が吸収機能を持つといわれている。しかし、2次根の中には輸送機能を持つ根もあり、同一樹種の1次根や2次根といった同じ次数根でも機能が異なる(すなわち形態特性も異なる)ことが示唆される。本研究では、ヒノキ複数林分における細根系内の次数別の直径・根長など形態特性の変動特性を評価することを目的とした。 幸田サイト(愛知)・三ヶ日サイト(静岡)などのヒノキ7林分において、4次根までの細根系を30根系ずつ採取した。細根系は次数ごとに分け、次数別の直径・根長など形態特性や形態指標SRL(根長/根重)を測定した。 その結果、細根系構造が対照的である幸田と三ヶ日の細根系では、1,2次根において根長に有意差はないものの、平均根直径やSRLで有意差がみられた。一方、細根系内の変動を示す根直径や根長のヒストグラムは両林分で類似していた。発表では、細根系内の種内変動特性を機能と関連させ考察する。

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