日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: P1-068
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学術講演集原稿
ツバキ節を中心とする形態比較およびMIG-seqを用いた分子系統解析
*片山 瑠衣松尾 歩廣田 峻陶山 佳久阿部 晴恵
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抄録

日本に自生するヤブツバキ(Camellia japonica)とユキツバキ(C. rusticana)は、ツバキ属ツバキ節(sect. Camellia)に属する。ヤブツバキは赤く大きな花弁を持つ鳥媒介植物であり、ユキツバキの花弁色や大きさは同様に鳥媒シンドロームに属するものである。しかし、先行研究によると、ユキツバキは昆虫が主要な花粉媒介者であることが報告されている。また、これらの在来種と比較して、アジア大陸に自生するツバキ属は、色や大きさにおいて、より多様な花形態を示す。これらの背景から、ツバキ節における系統解析は、花の進化過程の解明に大きく貢献できると考えられる。そこで本研究では、選択圧が大きく影響すると考えられる花形態に着目し、花形態の比較およびMIG-seq法を用いた分子系統解析を行うことで、日本産ツバキ節の種分化の要因と系統的な位置づけを探ることを目的とした。花形態の比較では、東アジアから東南アジアにかけて自生するCamellia属のうち、27種を対象に各3花ずつ採取して花形態の測定および解析を行った。その結果、花形態は節ごとに異なった傾向を示した。この結果をMIG-seqを用いた分子系統解析と合わせて考察する予定である。

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