日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: P2-139
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学術講演集原稿
ビニルハウスを用いたスギ種子生産方法の検討
*猿田 けい山田 晋也山本 茂弘山口 亮石川 佳寛大平 峰子平岡 裕一郎山野邉 太郎高橋 誠
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キーワード: ビニルハウス, スギ, 採種園
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抄録

静岡県では、外部花粉の侵入を防ぎ、特定母樹同士の確実な交配のため、ビニルハウスの閉鎖型採種園に取り組んでいる。ハウス内の人工交配は、交配時期や台風等強風時の閉めきりによって、高温多湿になることが課題である。また、果樹分野で早期安定生産に成功した根域制限栽培法をスギに応用し、40L収穫コンテナ等で2年生採種木を育成しているが、スギについては施肥や潅水等の育成条件が不明である。そこで最適育成条件について、寒冷紗による温度調節、潅水量及び施肥量を検証したので報告する。 常緑針葉樹は44℃~50℃が高温傷害の閾値温度とされるが、遮光率約90%白色寒冷紗でビニルハウス内の温度を閾値以下に保つことができた。潅水量について、4月下旬(春)、5月下旬(梅雨時)、7月下旬(梅雨明け後)の1日あたりの水消失量をコンテナの重量から算出した。水消失量は7月下旬が1.9ℓ/日で最大であった。施肥量は、基準の0.5倍~3倍およびN・P・Kの単肥を追加し、樹高伸長量、根元径肥大量、球果肥大量を比較したが、いずれも差はなかった。 育成条件を検討し取り組んだ結果、今期の採種量17.6g/本、発芽率46.1%だった。

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