主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第130回日本森林学会大会
回次: 130
開催地: 新潟県新潟市 新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」
開催日: 2019/03/20 - 2019/03/23
個体の遺伝子型から形質を予測し、選抜を行う分子育種の技術により、林木においても育種期間を短縮することが期待されている。我々はスギにおいて、複数組織由来のEST情報を元にSNPを検出するAxiomカスタムアレイを開発し、精英樹を対象としたゲノミック予測を行い、形質と有意な相関を示すSNPsを多数検出してきた。本研究では、これらのSNPsについて、実際の交配家系を用いて予測精度や選抜マーカーとしての実用性を検証することを目的として、精英樹F1集団576個体の遺伝子型と成長および材質関連形質を用いたゲノミック予測モデルを構築した。遺伝子型については、約3千のSNPsを複数検体で同時検出可能なAmpliSeqカスタムパネルを作成し、SNPsを検出した。また形質値については、空間自己相関誤差を考慮した補正を行なった。これらの遺伝子型と形質値を用いて、形質の予測モデルを構築した。その結果、成長形質よりも材質関連形質で予測精度が高いこと、空間自己相関誤差による補正により予測精度が向上することを明らかにした。本研究により、実際の交配家系におけるゲノミックセレクションの可能性が示唆された。