日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: P2-185
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学術講演集原稿
日本の海岸における飛砂量全国マッピングに向けた予測手法の開発
*南光 一樹勝島 隆史鈴木 覚坂本 知己
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抄録

海岸林は、砂浜海岸の沿岸部への飛砂を防ぐ重要な人工生態系である。海岸ごとの効果的な海岸林の整備方針を策定するためには、防ぐべき飛砂量を知る必要があるが、飛砂量の実測は手間がかかり把握が難しい。そこで、広域気象データ(メソ数値予報モデルGPV、5kmメッシュ、1時間単位)と飛砂発生理論を組み合わせた潜在的飛砂量の予測手法を開発した。対象砂浜の風向風速は、そこから最も近い海上のメッシュ3点の地上10mの南北・東西成分の風速を距離で重み付け平均し、突風率に基づいた風の乱れを与えて、1分ごとに得た。地表植生被覆が存在しない状況を想定し、砂浜の中央粒径から得た砂の摩擦速度を用いて、1分ごとの潜在的な飛砂量を計算した。その結果、日本海側では、季節風により潜在的飛砂量に明瞭な季節変化が見られ、冬季に内陸方向への飛砂移動が大きいことを確認した。それに対し太平洋側の潜在的飛砂量は、日本海側に比べて年平均では小さく飛砂移動も内陸方向に卓越しにくいが、雨を伴わない台風の襲来時に1時間最大値が大きくなることが確認された。これらを基に、飛砂量全国マッピングを進める。

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