日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: P2-186
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学術講演集原稿
雪崩斜面上における樹木の倒伏過程と積雪条件との関係
*松元 高峰河島 克久勝島 隆史宮下 彩奈伊豫部 勉渡部 俊
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抄録

急斜面上の広葉樹が積雪層内に埋没し倒伏していく過程と降積雪状況や積雪グライド量の変化との関係を明らかするため、新潟県魚沼市の山地斜面において、樹木の倒伏過程と積雪条件の観測を実施した。調査対象斜面は、匍匐した樹形をもつヤマモミジ・マンサクなどの低木広葉樹に覆われており、斜面上部の傾斜は30~45°程度である。2017年11月から2018年4月までの期間に、斜面上の広葉樹2本の傾斜変化を自記傾斜計を用いて計測するとともに、同じ斜面において幹の変形、積雪のグライド量、地温などを、また付近の平坦地で気象・積雪条件を連続的に計測・記録した。観測の結果、樹幹傾斜の時間変化パターンには季節の進行に伴なう変化が見られ、大きく6つのフェーズに分けることができた。樹体が完全に埋雪するまでの期間は、降雪時の冠雪とその後の落雪、また積雪深(埋雪部分)の増加に伴なって樹幹傾斜は変化していた。樹体が完全に埋雪してからは、まず積雪層の圧密によって少しずつ傾き、その後、本格的な融雪の開始とともにグライドが始まると、グライドの進行に伴なって地表面に完全に倒伏するまで樹幹傾斜が増加していった。

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© 2019 日本森林学会
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