日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: P2-187
会議情報

学術講演集原稿
樹幹位置の精密計測による横方向外力に対する幹変位応答
*鈴木 覚山田 利博林 詳悟高畑 東志明佃 太貴安田 幸生栗田 直明
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

風害は、強風によるモーメントが根系や幹に働き、根返りや幹折れとして生じる。原因である強風の外力と、結果である被害は様々に検討されてきたが、外力が作用してから根返りや幹折れに至る途中の過程は明らかでない。また、モデル的に外力に強い樹形はわかっているが、現実には、欠点があったり、理想的な樹形と異なるなど、個別の倒木リスクを非破壊で知る技術はない。そこで、幹に水平に外力を与え、その時の変位を詳細に測定することにより、風害発生の初期段階としての幹の挙動の解明、および根系強度の推定可能性を検討した。 外力を与えた時の、地際から2mの高さまでの幹の変位を、光切断法を援用して詳細に記録した。光切断法とは、ラインレーザーとエリアカメラによる3次元計測手法である。幹の変位分布を二次関数で回帰したときに変位が0になる高さを回転中心と定義し、根株の安定性の指標とした。回転中心の位置と外力との関係は外力の方向によって異なった。また、外力が大きいほど回転中心が地上部から地下に向かって低くなった。回転中心が地表面に到達したときに地際に生じる応力度を耐風性の指標として個体間比較を行った。

著者関連情報
© 2019 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top