日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: T4-4
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学術講演集原稿
樹木根の分解への樹種とサイズの影響ー羊ヶ丘実験林における長期分解試験ー
*酒井 佳美
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抄録

樹木根はバイオマスとして地上部の約3割に相当し、樹木の枯死によって森林土壌への大きな炭素供給源となる。しかし、粗大根は調査が煩雑であり、特に分解過程解明のための分解試験の報告例は少ない。そこで、発表者は根の分解速度に関して樹種と直径の影響を明らかにすることを目的に、森林総研北海道支所羊ヶ丘実験林において針葉樹種(トドマツ、アカエゾマツ、カラマツ)と落葉広葉樹種(シラカンバ、ミズナラ)についてリターバック法を用いて直径クラス別に10年以上にわたり分解試験を行った。重量残存率(%)は経過年に伴い減少したが、樹種や直径クラスによって、減少パターンが異なることが明らかとなった。直径が大きいクラスでは初期の分解が遅いラグタイムが認められた。試験地は冷涼な気候下であり、直径クラス50-100mmでは、10年以上の分解試験によってようやく残存率が半分程度に達することが明らかとなった。

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