日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: T4-5
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学術講演集原稿
ミニライゾトロン法による苗場山ブナ林における細根動態の解析
*野口 享太郎壁谷 大介藤井 一至韓 慶民
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キーワード: 細根生産, 土壌深さ, 年変動
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抄録

樹木の細根は高い養分吸収活性により樹木の生育を支えている。また、これまでの報告から、細根の生産量は森林の純一次生産量の数十%を占めるとも言われ、細根は森林の地下部炭素動態においても重要な役割を担うと考えられている。しかし、細根の生産をコントロールする仕組みについては十分に理解されているとは言えず、研究を進める必要がある。そこで本研究では、新潟県・苗場山の約90年生ブナ林において、ミニライゾトロン法により細根生産速度の経時変動について解析を行った。2014年6月から8月にかけて10本のブナ個体を選び、それぞれの根元に透明アクリル管(ミニライゾトロン)を地表面に対し約30-60°の角度で埋設した。設置後の2014年10月から2017年11月の期間、これらのミニライゾトロンの表面に出現する細根を専用のカメラで撮影した。なお、11月中旬から5月中旬までの期間は積雪のため撮影を行わなかった。得られた画像については、新たに出現した細根の数と直径を計測した。これまでの解析の結果、土壌の深さ20 cmまでの細根生産量は6月~8月頃に大きく、また、細根生産量は年により大きく変動することが示唆された。

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