日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: T4-7
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学術講演集原稿
次数別の形態特性から見る直径2 mm以下全体の根系構造
*土居 龍成谷川 東子平野 恭弘
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キーワード: ヒノキ, 細根, 比根長SRL
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抄録

 直径2 mm以下の樹木細根は森林生態系における主要な土壌炭素供給源であるため、多くの樹種において細根量やターンオーバーが調べられてきた。分岐位置を考慮した次数分類は直径分類よりも吸収や輸送など機能を反映しており、国内主要人工林樹種のヒノキ(Chamaecyparis obtusa)では1,2次根が短命な吸収根であることが報告されている。しかし、直径2 mm以下全体の細根系における1,2次根の根長や重量などの構成割合は明らかにされていない。本研究では直径2 mm以下全体の細根系構造を次数根形態から明らかにすることを目的とした。 2015年7月に土壌特性や直径別細根量が既知である東海地方のヒノキ3林分において幹から1 m程度離れた地点から直径2 mmに至るまでの完全な細根系を各調査地4根系採取した。細根系は次数ごとに分け、次数別の平均直径、根長、乾重を測定した。その結果、直径2 mm以下全体の細根系内の総根長、総乾重のうち1,2次根が占める割合はそれぞれ約80%、約50%であった。このことから細根系では養分を獲得するための短命な吸収根に重量割合で5割ほども炭素を投資していることが示唆された。

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