日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: A33
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学術講演集原稿
オーストリアの林業における外国人労働力導入の動向
*田中 亘久保山 裕史都築 伸行横田 康裕
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抄録

EU加盟国では他の加盟国民に対して原則的に労働市場が開放されており、オーストリアの林業では近年、外国人労働力の導入が進んでいる。本研究では、林業における外国人労働力導入の現状と課題を明らかにするため、ウィーン労働会議所およびシュタイヤーマルク州内の事業体に対して聞き取り調査を実施した。ウィーン労働会議所における調査からは、外国人も労働者としてオーストリア人と同等の権利を持つこと、農業および林業においては主に2004年にEUに加盟した東欧諸国出身の労働者の導入が顕著であること、林業労働者の最低賃金は労働組合と企業との協議で決定され、外国人にも適用されることが明らかになった。一方、林業事業体における調査からは、多くの事業体においてオーストリア人の林業従事者を新規に採用することが近年困難化していること、その結果としてルーマニア人等を主に伐採手として雇用していることが明らかになった。タワーヤーダ等の機械操作に関してはマニュアルの習熟に一定程度のドイツ語読解力を必要とするため、オーストリア人が担当する場合が多く、言葉の理解度によって作業種別に差異が現れることも確認された。

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