日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: P2-133
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学術講演集原稿
荒廃農地でのセンダンの初期成長
*糟谷 信彦村田 功二山田 範彦宮藤 久士
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抄録

2018年の森林・林業基本計画には荒廃農地への早生樹等の実証的植栽が記載されており、一方平成26年の復旧困難なB級荒廃農地が全国あわせて14.4万ha存在しており、実際に植栽を行って初期成長を調査することは重要と考えられる。兵庫県宍粟市山崎町、波賀町の荒廃農地に平成28年~31年にセンダンを毎年春に植栽し(0.1~0.3ha)、成長経過を観察している。2019年成長終了後の樹高は4,3,2,1年生でそれぞれ738, 353, 145, 170cmであった。元々の苗木サイズの影響以外に、それぞれ植栽直前までススキやササが密生していたため、植栽時に植穴を十分に大きく掘ることが困難であり、苗木の成長に影響していることが考えられた。シカ対策として、周囲をシカネットで囲ったが、ネットを飛び越えたり倒したりして中に侵入していた。枝葉やほとんど食べられなかったが、角研ぎによって樹皮がはぎ取られ、周囲を一周やられたものはその部位より上が枯れたが、ほとんどのものは根元部から萌芽がみられた。各植栽地でのセンダンの成長はおおむね順調であるが、4年生の直径10㎝程度の個体でも新たにシカの角研ぎによる剥皮害がみられ、今後被害が広がらないようにする必要がある。

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