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第132回日本森林学会大会
セッションID: A19
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学術講演集原稿
入会林野整備実績からみた入会林野の登記名義の現状
*山下 詠子林 雅秀片野 洋平高村 学人
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抄録

1966年に施行された入会林野近代化法と同法に基づく入会林野整備事業は、当初の10~20年間は大きな成果を上げたが、その後の整備実績はわずかにとどまり、事業としてはほぼ役割を終えている。一方で、昨今の所有者不明土地問題を契機として新たな法制化が急速に進みつつあり、多数人による記名共有名義など入会林野の複雑化した権利関係を整理するための制度が増えてきている。

本研究では、これらの新しい土地法制が入会林野に与えるインパクトを検討するために、入会林野整備事業の実施状況をもとに、入会林野の登記名義の現状を明らかにする。都道府県別に、入会林野整備事業開始前の入会林野の数・面積、入会林野整備事業の実績(整備認可数、整備対象入会林野に占める認可面積の割合、整備後の経営形態と利用方法)、また生産森林組合の解散状況等のデータをもとに、都道府県による入会林野整備事業への取り組み内容と登記名義への影響を整理する。対象となる入会林野面積にかかわらず、都道府県によって整備実績や整備後の経営形態には大きく差があったことから、整備実績が異なる都道府県における登記名義にかかわる課題を整理する。

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