日本森林学会大会発表データベース
第132回日本森林学会大会
セッションID: A7
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学術講演集原稿
製材工場におけるスクリュ式小型蒸気発電機導入による環境効果と経済効果
*立花 敏松永 佳奈子
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抄録

本研究の目的は、製材工場がスクリュ式小型蒸気発電機(MSEG)を導⼊し、余剰蒸気を利⽤して発電することが二酸化炭素排出削減にどの程度寄与するか、製材工場の規模等によって経済的利益がどの程度あるかを明らかにすることである。この研究結果は現段階でMSEGを導入していない製材工場が木質バイオマス設備を導入する際の判断材料に資すると考えられる。研究対象はMSEGメーカーのS社、MSEGを導入している製材工場のT社、F社、G社の合計4社とし、方法として聞き取り調査と電子メールによる調査、文献調査を用いた。また、経済効果は初期費用回収年数、二酸化炭素排出削減量はMSEGによる発電で代替される燃料から発生する二酸化炭素量とした。その主な結果として、①MSEGの性能面に制約があるため、単純に規模を大きくしても発電量や収益性は増加しないこと、②発電量はMSEGの年間稼働日数に大きく影響されること、③ルールや手続きの煩雑さという課題はあるが、FITによる売電を行うことにより初期費用回収年数は短くなること、④初期費用回収年数は受ける補助金の割合により影響を受けることが明らかとなった。

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