主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
2019年4月に愛知県名古屋市天白区にある名城大学構内に並んで生育していたトチノキ成木3個体が伐採されることとなり,幹からの円盤採取と根系の観察をする機会を得た.3個体からそれぞれ高さ0.2,4.0,6.0,8.0,10mにおける円盤を採集し,樹幹解析を行った.伐採前に樹高と胸高直径を計測した.3個体の樹齢(0.2mでの年輪数)はそれぞれ53年,54年,39年,樹高はそれぞれ13m,14m,13.1m,胸高直径はそれぞれ37cm,42cm,46cmであり,樹齢に差があり,最も樹齢の若い個体で胸高直径が最大であった.樹幹解析の結果,樹齢の若い個体はほぼ一定の率で樹高成長・肥大成長をしていたが,樹齢の高い2個体は,樹齢30~35年頃までの樹高成長・肥大成長が悪かった.比較のため,2020年に名古屋市西区の庄内緑地で6個体(推定25年生,H=13m,D=18cm / 26年生,H=13.5m,D=25.9cm / 28年生,H=13.5m,D=15.6cm / 38年生,H=14.5m,D=29cm / 47年生,H=15m,D=39.8cm / 50年生,H=14.5m,D=37cm),愛知県瀬戸市の東大・赤津研究林で1個体(61年生,H=15.5m,D=26.2cm),愛知県豊田市の名大・稲武フィールドで1個体(77年生,H=18m,D=46.7cm)から成長錘を採取し,成長量を計測した.