主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
対流圏オゾンは温室効果ガスであり、広域的にオゾン濃度が上昇している要因の解明が求められている。窒素酸化物と森林起源のイソプレンの反応によるオゾン濃度の上昇が疑われているが、野外観測の不足で実態把握は進んでいない。そこで本研究では低コスト型のイソプレン計を野外観測に応用することとした。
化学発光法イソプレン計(ジェイ・サイエンス製)の配管と吸着材等を一部改良し、10分間隔で観測できる仕様にした。これを京都府木津川市に位置する山城試験地のコナラ林内に設置し、谷部タワーの35mと25m地点から大気を吸引してイソプレン濃度を連続観測した。その結果、イソプレン濃度は正午から午後2時頃に最も高くなる明瞭な日変動特性を示した。また、樹冠下部の方が上部よりも早く濃度が高まる傾向にあり、その濃度差は午前9時頃に最大となった。一方、日没後のイソプレン濃度は午前中の急激な上昇速度に比べて緩やかな低下速度を示した。
これらの結果は早朝に放出されたイソプレンが樹冠下部に貯留した後にまとまって放出し、日没後に大気中寿命が長くなっている現象を示唆しており、本測器は野外におけるイソプレンの実態把握に適すると考えられた。