日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: P-343
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学術講演集原稿
ミズナラ二次林とカラマツ人工林におけるスズタケ枯死後の土壌浸食
*長池 卓男
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抄録

森林の下層植生は、森林が持つ土砂流出防止機能に大きな影響を及ぼす。下層植生の中でもササ類は、優占することが多いため重要な位置を占めている。山梨県では、スズタケが下層植生として優占している林分があるが、近年一斉枯死が発生した。本研究では、スズタケの一斉枯死が発生した林分における土壌浸食状況と環境要因の関係について明らかにした。調査地は、山梨県甲州市の標高1650m付近に位置するミズナラを主とする落葉広葉樹二次林8林分とカラマツ人工林8林分である。それぞれの林分に10×50mの調査区を設置し、胸高直径3cm以上の生立木を対象に毎木調査を実施した。調査区中央の50mライン上で、5mおきに1×1mの植生調査区を設置し(計160個)、植生調査と全天空写真撮影を実施した。また、植生調査区内の傾斜、方位、リター被度、スズタケ枯死稈被度を記録した。また、植生調査区内に存在する土柱個数を記録し、発生していた段差はそれぞれで幅と高さの積を記録し段差面積を求めた。これらから、土壌浸食危険度指数を植生調査区ごとに計算した。全体植被、リター被度、スズタケ枯死稈被度が高いほど、土壌浸食危険度指数は低下していた。

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