主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
豪雨時に発生する斜面崩壊は,流木を含む土石流となって谷部を流下し,下流で被害を生じさせる危険性がある。そのため,土石流の流下距離の増減に影響を及ぼす条件の解明が防災上重要である。谷部の立木は,土石流によって侵食され流木発生量を増加させる場合もあるが,流れの抵抗として働き流下を妨げる効果もある。しかしながら,どのような立木の条件で,土石流の流下距離が減少するのかはわかっていない。そこで,平成30年7月豪雨によって広島県で発生した崩壊を対象に,航空レーザー測量によって得られた樹高データを用いて,立木の樹高の大小を評価する指標を開発し,土石流の流下距離と比較することで,どのような谷部周辺の樹高の特徴が,流下距離を減少させる効果があるのかを調べた。その結果,谷部の平均樹高や最高樹高は,流下距離との関係が不明瞭であったのに対し,谷の大部分が5 m以上の立木で覆われている場合,斜面崩壊の面積や体積,樹種によらず,土石流の流下距離が著しく減少することが分かった。つまり,流路周辺が十分に成長した立木で密に覆われている場合,土石流の流下が妨げられ,下流に到達する土砂や流木の量が減少する。