野生の送粉者群集は生態系・食料生産において重要な機能を持っているが、近年生息地の分断化などにより世界的な送粉系の脆弱化が懸念されている。そのため、送粉者群集の保全が求められるが、森林において送粉者群集の構造に影響を与える具体的な特徴は分かっていない。皆伐は森林生態系にとって大きな攪乱であり、林冠閉鎖までの初期段階で植生の種数が最多となる場合が多く、その後林冠の閉鎖などにより種数・多様性が低下することなどがわかっている。本研究は皆伐施業による広葉樹二次林の遷移とそれに伴う植生変化が、送粉者群集に与える影響について明らかにする。
調査は新潟県加茂市七谷の広葉樹二次林において、粗朶生産のための皆伐施業を行った、施業後0,1,2,3,5,10,40年が経過した7サイトで行った。送粉者群集の調査には訪花昆虫の採集に適するとされる誘引式衝突板トラップ(FIT)を使用し、ハナアブ類519個体、ハナバチ類73個体が採集された。また、合わせて植生及び林分構造の調査を行った。
解析の結果、ハナバチ類は高木と草本層の種数と多様度、低木の種数と相関があることなどが明らかになった。