本研究は、「森のようちえん」(自然体験を重視する幼稚園)の卒園生にとって、森のようちえんでの体験が結果としてどのような意義があったのかを、幼稚園教諭、卒園生、卒園生の保護者へのアンケート調査やインタビュー調査によって明らかにしたものである。調査対象としたY幼稚園(1992年創設)は自然豊かな園庭を有し、園児は多くの時間を自然の中で過ごしている。アンケート調査では、幼稚園教諭には「どのような人に育ってほしいか」、卒園生の保護者には「在園中に子供が成長したと感じること」や「卒園後の成長に幼稚園での体験が影響したと思うこと」、卒園生には「幼稚園での思い出」や「幼稚園の体験が今でも影響していると思うこと」等を尋ねた。調査では、卒園生へのY幼稚園時代の影響を尋ねた記述回答から「自然、虫、木、外」等の自然体験に関する単語が多く抽出されたこと。幼稚園の思い出では、自然に対してネガティブな経験(虫に刺された等)を記述した卒園生でも、卒園後の影響では、自然への好感、Y幼稚園への好感を表す記述回答がみられたこと、等の結果が得られた。