日本林學會北海道支部講演集
Online ISSN : 2433-0825
樹木の挿木に関する基礎研究(IV) : 挿穂の切口が発根におよぼす影響について
中江 篤記吉田 義和
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1963 年 12 巻 p. 51-53

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抄録
本実験は演習林構内で簡易ガラス室のさし床を用い,さし穂にヤチダモを使用して,さし穂の切口(切方)を変る事により発根にどのような影響が現われるか調べたものである。1)発根率は,直角切,斜切,切返しの順に,良好な成績になる。さし穂の発根は,さし付けてから4〜5週間で発生が行なわれる。2)苗木の移植時に大切な二次根の発生状態をみると,切返し,斜切の区が良好であつた。3)大規模に経営を行なう場合,発根率,労力の事も考えて斜切が適すると思われる。4)さし穂の枯死の原因には,さし穂に阻害物質が含まれている為に一般の広葉樹よりも発根が遅れるために,床の腐敗菌によつて,腐敗枯死される率が大きくなつた。
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© 1963 北方森林学会
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