主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2020年度日本地理学会春季学術大会
開催日: 2020/03/27 - 2020/03/29
北海道東部に位置するアトサヌプリカルデラは,約20 kaのアトサヌプリ軽石の噴出により形成されたとされてきた.しかし,地下の湖成堆積物の高度変化から同カルデラ周辺で大きな隆起が示唆され,地殻の隆起により形成された地溝状のカルデラであるという指摘もあり,その成因については議論の余地がある.カルデラの形成は極めて稀かつ大規模な地形現象であるため,スケール則に従ってスケールダウンし,室内で再現するアナログ実験が行われてきた.アナログ実験においても,地殻の隆起によるカルデラの形成が確認されている.したがって本研究は,アトサヌプリカルデラを模したアナログ実験を行い,カルデラ形成に必要な地殻の隆起量と実際の隆起量を比較し,同カルデラの形成過程を検討することを目的とする.