日本ファジィ学会誌
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多目的整数計画問題に対する遺伝的アルゴリズムによる対話型ファジィ満足化手法
坂和 正敏柴野 俊弘加藤 浩介
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1998 年 10 巻 1 号 p. 108-116

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抄録

本論文では, 多目的整数計画問題に焦点をあて, 2重構造文字列コード化遺伝的アルゴリズムを用いた対話型ファジィ満足化手法を提案する.各目的関数に対する意思決定者のファジィ目標を線形メンバシップ関数で規定した後, 意思決定者が主観的に設定した基準メンバシップ値に拡張ミニマックスの意味で近いパレート最適解を求め, もし意思決定者が満足しなければ基準メンバシップ値を対話的に更新することにより, パレート最適解の集合の中から意思決定者の満足解を導出するという対話型ファジィ満足化手法を提案する.ここで, パレート最適解を求めるための拡張ミニマックス問題を解くための遺伝的アルゴリズムとして, 2重構造文字列によるコード化を用いて, 整数変数に対処しうるデコードを提案するとともに, 環状2重構造文字列を導入して, 文字列の位置に関して偏りのない部分一致交叉を提案する.さらに, 交叉を行う前に, 各目的関数の個別の最適解を与える個体を個体群に含むことにより, 0-1計画問題に比べて解空間の広い整数計画問題を効率的に解くための手がかりを与える.最後に, 数値例により提案した手法の妥当性と有効性を示す.

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© 1998 日本知能情報ファジィ学会
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