日本ファジィ学会誌
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ファジィ論理における台形真理値の性質について
大塚 和彦江本 全志向殿 政男
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1999 年 11 巻 2 号 p. 338-346

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抄録

本論文では, 区間真理値とファジィ真理値の中間的な真理値として, 台形によって表現される真理値(台形真理値と呼ぶ)を定義した.この真理値は, 台集合の両端と所属度が1になる区間の両端の4つの要素によって表現される.台形真理値に対して, 拡張原理により導かれる論理演算では演算として閉じたものにならないが, 本論文では新たに演算として閉じる論理演算(論理和, 論理積, 否定)を定義した.これらの論理演算と台形真理値によって構成される代数系が, 区間真理値と同じくド・モルガン代数をなしていることを示し, さらにクリーネ代数をなす為の必要十分条件を示した.最後に有限個の台形真理値と論理演算によって生成される台形真理値の集合に対する性質を明らかにし, 特に2個の生成元から生成される台形真理値の集合の最大の要素の数及び, 生成元がクリーネ代数を満たす場合の最大の要素数を明らかにした.

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© 1999 日本知能情報ファジィ学会
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