順天堂医学
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原著
ラット脳ダイナミンの新しい精製法とその酵素活性及び微小管との結合様式の検討
前田 国見
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1992 年 38 巻 2 号 p. 220-228

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抄録
ダイナミンはキネシン, cytoplasmic dynein (MAP1C) に次いでATPase活性をもち, 第3の微小管上のモーター蛋白として発見された. その後, 明らかにされた塩基配列によりGPT結合蛋白のコンセンサスシークエンスをもつことがわかり, 全く新しいG蛋白として注目を集めた. 著者は新しい方法を用いて, ラット脳より高純度のダイナミンを効率良く大量に精製し, これが今まで報告されていたダイナミンであることを同定した. 微小管存在下において, 微小管が存在しない場合より約4倍に促進されるATPase活性 (Km値=1.0) と, 170倍に促進されるGTPase活性 (Km値=0.07) をもつことを示した. さらに急速凍結デイープエッチ法を用いてダイナミンと微小管の結合の様式を電顕にて詳細に観察し, ダイナミンが螺旋状に微小管を装飾することを明らかにした.
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© 1992 順天堂医学会
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