日本ファジィ学会誌
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条件付因果可能性を知識として用いる強度付可能性因果推論
山田 耕一
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1999 年 11 巻 4 号 p. 605-615

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抄録

実世界における分析対象は, 事象生起の不確実性と強度(生起の程度)という2種類の曖昧さを持つ事象を含むことが多い.これらの曖昧さのうち不確実性に関しては古くから確率を用いた研究が数多く行われ, 最近では不確実性の順序づけに適した可能性理論を用いる研究も行われている.事象生起の強度に関しても, 因果に対し前向きにシミュレーションし解析を行うファジィ認知マップ, 程度情報を持つ因果知識を後ろ向きに利用する発想的推論, 因果(前向き)と果因(後ろ向き)の両過程を同時に扱う強度推論など, 各種の因果推論法が提案されている.しかし, 事象生起の不確実性と強度, さらに因果と果因を同時に扱う推論の研究は見あたらない.そこで本稿では, 条件付因果可能性を用いて因果と果因の両過程を扱う可能性因果推論を拡張し, 不確実性と強度, 因果と果因のすべてを同時に扱う強度付可能性因果推論を新たに提案する.

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© 1999 日本知能情報ファジィ学会
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