1999 年 11 巻 5 号 p. 816-822
2次元画像から物体認識を行う新しい手法を提案する。提案方式では認識対象物体をおおまかに表現し、同一カテゴリーに属する物体を統一的に扱うことができる骨格モデルを用意する。まず、人力画像を2値化し、細線化を施すことによって、骨格モデルとのマッチングに必要な情報を抽出する。そして遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて、細線化された画像に骨格モデルをマッチングさせる。具体的には、GAにおける各個体に、骨格モデルの姿勢を表す情報や3次元空間で拡大、縮小、回転させる情報を持たせてGAの操作を行う。このようにして、様々な視点から見た物体の形状の違いを考慮することができるようになっている。適応度の大きさによって、入力画像に写っている物体を判断、すなわち認識することができる。認識された場合には、物体の3次元形状や姿勢の推定が行われる。本論文では、人の上半身を認識対象例題として用いている。計算機シミュレーションにより、提案方式の有効性を確認した。