1999 年 11 巻 5 号 p. 823-829
本論文では、線形制御系を用いて構成したファジィ制御システムのメンバーシップ関数の重複領域における特性について調べている。すなわち、はじめに、状態空間をファジィ分割し、その各領域にある条作を満たすシステムをフィードバック操作量で配置し、また適当なメンバーシップ関数を用いれば、その間の重複領域に合成固有ベクトルおよび合成固有値が生ずることを示している。次に、2次システムについて合成固有ベクトルを計算し、また軌道が収束する合成固有ベクトルの性質について調べている。最後に、スカラ操作量を持つシステムに対し、複素平面上で各領域の閉ループシステムの固有値を用いて、与えられた合成固有値を生ずるメンバーシップ関数値を簡単に計算する方法について述べている。また、その方法を用いて、仕様として与えられた合成固有値を持つシステムの設計法について述べている。